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各市町村歯科保健事業実施状況アンケート集計結果

 
 
 

  総 括
 「宮城県歯と口腔の健康づくり推進条例」に基づいた「宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画(第2 期計画)が平成30 年度からスタートしました。
 今後は本計画に基づき、すべての県民の心身全体の健康保持に関わる歯と口腔の健康づくりを推進するため、市町村をはじめとする関係機関と連携・協働しながら設定された各項目の指標達成を目指して施策を推進していくことになります。
 本アンケート調査(2006〜2020 年)は、宮城県内35 市町村における歯科保健事業の進捗状況を把握し、検証を目的としています。項目毎に、各市町村の保健施策が記載されていますので、歯科保健活動推進の参考にしていただければ幸いです。

 妊産婦期においては、妊産婦期特有の口腔内変化、それにまつわるトラブル、その対策、栄養指導等について、昨年度同様、多くの自治体が母子健康手帳交付時に、リーフレット・パンフレット等を活用し、保護者へ必要な情報を提供しています。妊産婦の歯科健康診査や妊産婦期の歯科保健指導を行っている市町村について、昨年度は新型コロナウイルスの影響もあり増加はありませんでした。
 宮城県も、平成30 年3 月に東北大学大学院歯学研究科監修のもと、宮城県歯科医師会・宮城県歯科衛生士会共著によるパンフレット「妊娠期からはじまるお口の健康〜子どもの健康は妊娠中から〜」を作成しましたが、地域性の影響が少ないこの時期の指導は、以降のライフステージにおいても非常に重要であり、各自治体にゆだねられている内容についても、地域間格差解消のため、将来的には統一されたガイドラインの作成が必要となるでしょう。

 宮城県の乳幼児時期における平成30 年度一人平均むし歯本数は、1 歳6 ケ月児で0.04 本(全国平均0.03 本)、3 歳児が0.64 本(全国平均0.44 本)で、年々改善は認められますが、依然として全国平均に届きません。
 本ステージは、特に生活環境因子に大きく左右される時期でもありますが、アンケート調査から、昨年度は新型コロナウイルスの影響もあり乳幼児時期の歯科健康診査や歯科保健指導活動を中止にしていた市町村もあったようです。

 学童期において、宮城県の令和元年度の6歳児のむし歯有病率44.1%(全国平均40.24%・順位24 位)、12歳児のむし歯有病率38.7%(全国平均31.76%・順位36 位)、12歳児一人平均むし歯数は、1.0 本(全国平均0.7 本)、12歳児の歯肉炎有病率は、6.8%と(全国平均3.8%)であり、一定の成果を上げつつも、長期にわたり低迷し続けています。
 今後、各自治体と教育機関と家庭、歯科医師会とが問題点を共有し、口腔内の健康について更なる啓発運動の強化が必要です。
 すべての自治体が、フッ化物の有効性について認識していることから、学童期に限らず、関係団体との連携を一層強化し、安価であり安全なフッ化物の使用を推奨していただくことが重要ですが、新型コロナウイルス感染防止のためフッ化物洗口を中止にしていた市町村もありました。

 成人期・高齢期においては、全自治体が、節目検診等の歯周疾患検診を実施していますが、検診受診率は年々改善しているものの、決して高い受診率ではありません。定期的な歯科検診は、歯周病の重症化抑制、高齢期にかけての歯牙喪失の防止につながり、全身的な健康にも関与することを継続的に周知する必要があります。
 また、職域に対し、全国健康保険協会宮城支部に御協力いただき、事業所の健康づくり担当者等に対し、むし歯及び歯周病によって引き起こされる全身の疾患リスクや、歯科疾患に係る診療費の現状、事業所における歯科健診プログラム等に関する講話を行うことで、職域に対する歯科口腔保健の重要性の啓発に努めました。更なる積極的な歯科保健活動を行うことが、定期的な歯科検診の必要性を働きかけることになり、受診率の向上につながると考えられます。

 障がい児・者歯科保健については、専門的な知識をもつ人材と医療設備の確保が困難なため、各自治体の取り組み方に、地域間格差が出現しやすい分野となります。専門的歯科医療体制が未整備の場合は、口腔内状況が悪化を招かぬようにフッ化物を活用しながら、定期的にかかりつけ歯科医にて管理することが望ましく、同時に移動困難な障がい児・者が、必要な時に必要な処置が受けることができる早急な環境整備が必要です。県・市町村・関係諸機関・歯科医師会が連携し、支援の必要な方々の実態に則した体制整備を期待します。
 (東北大学と歯科医師会とで作成した「障害のある方のためのサポートマニュアル」の活用)

 宮城県内における歯科保健施策は、着実に成果を上げていますが、全国的にまだ不十分なのが現状です。更なる歯科保健事業への対策を必要と考察します。

 昨年度からの「新型コロナウィルス感染症」問題ですが、日本国内でも医療関係者や高齢者にワクチン接種が始まりましたが、状況はまだ好転したとは言えず、「変異型ウイルスの発現」や「各都市部でのクラスター感染」など厳しいのが現状です。歯科保健事業についても学校歯科健診をはじめとする様々な場面で、基本的な集団感染拡大防止対策が必要とされています。

 ご多忙にもかかわらず、本アンケート調査にご協力していただいた各市町村の担当部署職員の皆様には、心より感謝申し上げます。この貴重なデータは、これからの歯科保健活動推進に有効に活用させていただきます。


一般社団法人宮城県歯科医師会地域保健部会