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学校歯科保健

「歯口から気づく子どもへの虐待」冊子を作製しました!!

【ごあいさつ】

宮城県歯科医師会 会長 細谷 仁憲
近年の核家族化、急激な少子高齢化等 社会・経済構造の変化に伴い、新たな様々な社会問題が浮上してきています。そのひとつに子どもへの虐待の問題がクローズアップされてきています。ここで取り上げている子ども虐待とは、親または親に代わる保護者が子ども(18歳未満の者)に対し、身体や心を傷つけ健やかな成長・発達を妨げる行為をいい、性的虐待やネグレクト(養育・保護の不適切、怠慢、放置、放棄)も含みます。
子ども虐待は、児童相談所における相談件数からみても、全国的に、また当県においても年々急速に増加してきています。その背景としては、家庭環境に社会、経済、教育等の環境の変化が複雑に関連して影響を与えていることが考えられます。
虐待は、子どもの健やかな心身の成長、発達を妨げるという問題とともに、その子が親になった時に、自身の育児において、次には加害者になるという世代間連鎖を引き起こす問題があると言われています。その子どもの生涯だけでなく、世代を超えて負のサイクルを生じさせる大きな影を落すことになります。従って、出来るだけ早期に発見し、子どもが受けるダメージを最小限にとどめ、保護することが極めて重要です。
少子高齢化が進行した現在、子ども達を守るためにも、またそのことによって社会を守るためにも、早急な社会及び国民の実効性のある対応が迫られています。因みに、平成12年11月20日に「児童虐待の防止等に関する法律」が施行され、その第5条には、「学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない」。第6条には、「児童虐待を受けた児童を発見した者は、速やかに、これを児童福祉法第25条の規定(保護者のいない児童又は保護者に監護されることが不適切であると認める児童を発見した者は、これを福祉事務所又は児童相談所に通告しなければならない)により通告しなければならない」と謳われています。
虐待を受けている子どもの多くは、主に乳幼児・学童期であり、この時期には歯科医師は1.5歳児、3歳児健診や乳幼児歯科健康相談、学校歯科健康診断等の場で子どもに接していますし、またかかりつけの歯科医師として、診療現場において子どもだけでなくその保護者とも関わりを持っています。口腔、顔面、頭部等を診ることにより、虐待の兆候を観察できる立場にあります。従って、歯科医師は専門家の立場から、虐待の早期発見に関わる責務があります。
そこで当会は、会員が、子ども虐待の実態や特性を把握し、被虐待児の早期発見や発見あるいは疑った時の適切な対応が出来、専門家としての責務が果たせる一助として、この度、本冊子を発刊することにいたしました。
先生方には、本冊子を活用され、少しでも虐待を疑わせる兆候がございましたら、保育所・幼稚園・学校または関係機関に情報提供していただき、子ども虐待の早期発見・予防、ひいては子育て支援にご協力をお願い申し上げます
 
【内  容】
 ・子ども虐待とは
 ・宮城県の子ども虐待の実態
 ・宮城県の児童相談所入所者の口腔内状態(平成20 年)
 ・子ども虐待で見られる口腔内の状況 

 ・歯科からの取り組み
 ・関連法律
 ・連絡体制]
 ・関連機関連絡先
「歯口から気づく子どもへの虐待」冊子
1部400円(税込み・送料別)※100部以上は300円(税込み・送料別)
 

「食べ物のおいしさがわかる元気な歯」

8020運動が全国的に広がる中、歯、口の健康が生涯健康へのパスポートと言われるほど、人々の意識が高まってきました。その中で、学校歯科保健は発達段階にある幼稚園、小、中学校、高等学校の園児、児童、生徒を対象にし、8020運動達成の要という大切な時期を担っています。現在、学校歯科医は県内総ての学校に配置され、歯科医師会会員が担当し、子供達の歯、口の健康づくりを通して心身の健康保持増進に努めております。

主な仕事は、学校保健安全計画の立案に参画、定期(臨時)歯科健診、健康相談、学校・PTA関係者への歯科保健指導、講話などを行っております。また、むし歯予防の啓蒙事業として「歯の塚供養」、「学校訪問口腔衛生指導」、更に宮城県教育委員会の委託事業であります「歯と口腔の健康づくり推進地域事業」等を行っております。

口腔衛生指導
ちゃんと磨けているかな?
歯の塚
歯の供養塔

「学校歯科検診」

4月から6月までの間に以下の内容で歯科検診が行われます。

・顎の検査 ・歯ならび、かみ合わせの検査 ・歯垢の検査
・歯肉の検査 ・歯式 ・永久歯のう歯の状態 ・歯の状態(永久歯)
・その他の歯の疾患 ・学校歯科医所見

レベルアップ学校歯科健診パネル宮城県歯科医師会学校歯科委員会においては、検診精度をより高めることを目的として「レベルアップW学校歯科健診パネル」を作成しております。是非、ご活用ください。

ご覧いだくにはPDFビュアーが必要です。
(PDFサイズ1.5MB)


「学校歯科保教育教材」

宮城県の児童生徒に学校歯科保健が広く、そして確かに普及することを目的として、学校の教員が、子どもたちに歯・口に関する情報を正確に伝えることができるツールとして作成しました。

教育教材

「学校歯科保健関係各種表彰」

歯の衛生に関する正しい知識を普及するとともに、歯科疾患の予防と処置の徹底を図り、児童・生徒の健康保持増進に寄与すること等を目的として、次の表彰事業を行っています。

  • 歯・口の健康に関する図画ポスターコンクール
  • 歯・口の健康啓発標語コンクール
  • 健康な口腔とよい歯の幼稚園表彰
  • 健康な口腔とよい歯の学校表彰

令和5年度学校歯科保健各種コンクール募集案内はコチラ

「令和3年度学校歯科健診等に関するアンケート調査結果と考察」

この度、コロナ禍における、学校歯科健診や学校歯科保健活動に関する各学校の状況を把握するため、アンケート調査を行いましたが、WEBアンケート調査にもかかわらず、おおむね7割を超えるご回答をいただきました。また、記載項目についても多くの記載があり各学校の状況を細かに把握することができました。コロナ禍で大変な中、ご協力いただき感謝申し上げます。

アンケート内容を取りまとめましたので、今後の活動の参考にしていただければと思います。また、学校歯科部会での考察も加え、令和2年度との比較グラフも作成しました。下記URLをクリックしてダウンロードしてください。

令和3年度学校歯科検診等に関するアンケート調査結果と考察はコチラをクリック

「学校歯科保健リンク集」